まんが日本昔ばなし「ふとんの話」のあらすじ
昔、貧しい村にふとんを担いだ行商人がやってきました。村にはふとんを持った者がおらず、村人たちは争ってふとんを買いました。
しかし、その中の一人の男は、高いお金を持っていないため、ふとんを買うことができませんでした。行商人は哀れに思い、無料であげることにしました。
男は喜びましたが、家に帰る途中、豪雨に見舞われ、ふとんはびしょ濡れになってしまいました。困った男はふとんを木の枝に吊るして乾かそうとしましたが、風が強すぎて飛ばされてしまいました。
男はふとんを探しましたが、見つかりませんでした。途方に暮れた男は、近くの小屋で一夜を過ごしました。
翌朝、男が小屋を出ると、そこには美しい少女が立っていました。少女は男のふとんを拾ったと言って、男に返しました。男は驚き、お礼を言いました。
すると、少女はふとんをさっと広げ、「このふとんは善いふとんじゃ。あなたの願いをなんでも一つ叶えてくれる」と言いました。
男は最初は信じませんでしたが、試しに「お金をください」と頼んでみました。すると、ふとんの中からお金が出てきました。男は大喜びで、感謝して少女に別れを告げました。
その後
男はふとんのおかげで大金持ちになり、村で暮らしました。しかし、男は欲張りになり、ふとんに無理な願いばかりしました。
あるとき、男はふとんに「世界で一番偉い人間にしてくれ」と頼みました。ふとんは男を世界の頂上に連れて行きましたが、そこには誰もいませんでした。
男は悟りました。ふとんは「善い」ふとんであり、欲深い願いを叶えてはくれないことを。男はふとんを捨て、これまでのように謙虚に生きることを選びました。